相談サイトには、様々な悩み・相談が寄せられます。本日は、その中から、職場環境を良くするために立ち上がろうとする方のご相談内容を拝見したいと思います。
パワハラ退職者をなくしたい
ある方が相談サイトによせた、パワハラに関するお悩みをご紹介します。
総務・人事の責任者の人物(男性)がパワハラをしていて、昨年 新入社員1名(男性)がパワハラにあい、自主退職を余儀なくされました。
過去、その人物は18~20人近くの従業員にパワハラ・セクハラをしていて、今までにたくさんの退職者がいます。
実は、私もその被害者の一人なのです。
被害者が団結したとしても、「総務・人事の責任者だから」と「パワハラ・セクハラ被害」を社長に訴えたのですが、結局は何もしてくれません。
被害を訴えると、「総務・人事の責任者の特権」として、いわゆる「左遷人事」や「けん責処分」が社内で横行しています。
総務・人事の職員を、新規に採用しても、すぐに退職してしまうため、総務・人事は実質一人で、隔離された豪華な部屋などが与えられています。
このままでは、今後も退職者が発生し続けることが予想できます。
労働組合を作りたいと思っています。
労働組合の作り方など、良きアドバイスをください。
回答1 物的証拠を揃え、弁護士に相談
労働組合より、ペン型カメラ、ペン型ICレコーダー、腕時計型ICレコーダーで録画録音などの物的証拠を取り、弁護士に相談してください。
明らかなハラスメントで充分な勝訴確率がある事、裁判で自分が損しない事、着手金見積もりをもらう事を確認し慰謝料請求するのが最善の方法でしょう。
パワハラが横行する会社として、昔から変わらぬ社風、意識の低い人間性、そのため低い社員レベル、パワハラをリーダー気質と勘違いし出世する社員などがあり、結果、永年経ってもハラスメント行為が無くならないと思います。
そのような会社は法律で痛い目に合わせるのが良いでしょう。そのために法律ですから。
回答2 事実を集め労働局や労働基準監督署に
組合の作り方は分かりませんが、20名にものぼるセクハラ、パワハラ被害者がおり、退職している事実。組合作って戦いたい気持ちは分かりますが、可能な限り事実を掘り起こして労働局や労働基準監督署に動いてもらった方が得策ではないですかね。
彼らは労働者の権利を守る為の専門家集団です。被害者の代わりに戦ってくれます。
労組立ち上げても被害者達の訴えをそもそも社長含めて問題放置してる訳だし、労組を仮に立ち上げても結果、労働局等に相談する流れになると思いますけど。
でも、余りにも酷いですね。頑張ってください。
回答3 組合は作ってからが大変
組合を作るのはさほど難しいことではありません。難しいのは作ってからだと思います。
まず、組合というものはそこで働く全ての労働者で結成されないと意味がありません。
一般的には課長以上は労働者とみなされないので、そこから下の人間全てってことになります。
組合は運営にあたって事務費と闘争積立金を確保しなくてはいけないので、最初の壁はこの二つです。
全員加入と組合費。 あとは会社に組合を作ったことの通告と労働協約の締結。
労働協約は労働者の権利から始まり、組合費の給与天引きやユニオンショップなど多岐に渡り、この協約の締結で次の壁にぶち当たります。
会社は初めて組合という組織と対峙する訳ですから、労働協約イコール労働者のワガママと受け取りがちです。
ここで躓くと、まだ闘争積立金が無いままのスト突入となり、組合員の経済的な負担に直面します。
なので、組合を作ることより、会社との交渉が難航した時の団結力の方が何倍も難しいのです。
その総務とやらの被害が及ばない社員にとっては無意味な集団となりますし、費用負担があればなおさらのことです。
まずは社員全員の確実な意思確認なしには前に進まないでしょう。
回答4 作り方は2通りあります
それでは、労働組合の説明をします。
作り方は2通りあります。
まず外部の組合に加入して仲間を増やすやり方と独自でつくるやり方です。
独自のやり方はある程度仲間が集まれば会社に組合結成通知書を出します。
その間に規約、銀行口座、要求書の作成、法人登記する場合は労働委員会に届け出をして法務局に登記申請が必要です。
その他共済事業をする場合は共済団体への手続きなどです。
その前に結成通知書を出す前に会社に知られないように準備会をつくり学習会が必要と思います。
労働組合は、二人からつくることができます。
労働組合がなければ会社の一方的な労働条件になってしまい従業員が会社に話あいの申し入れをして会社が拒否しても法的におとがめはありません。
そうなれば、会社がブラック企業になってしまいます。
労働組合が機能しなくなったり解散しブラック企業になってしまった例はよくあります。
しかし労働組合をつくると状況は一変します。
労働組合をつくると会社と対等に話あいが出来る権利、団体交渉権(憲法28条労働3権)が得られ団体交渉は正当な理由なく拒否できません。
拒否したら禁固刑を含む厳しい罰則があります。
最近は労働組合をつくるきっかけとして個人加盟労働組合もありますし、労働組合をつくると就業規則より効力の強い労働協約を締結できます。
法規の効力の順番に憲法>法令>労働協約>就業規則>労働契約>業務命令になります。
労働組合をつくることにより会社から妨害行為や団体交渉がこじれたりしても労働委員会という機関に不当労働行為の救済申し立てができます。
詳しくはネットで全労連労働相談ホットラインと検索してフリーダイヤルで電話相談してください!
以上、
様々な戦い方があるものですね。
私の経験から一言
労働組合をつくる、ということは、とても素晴らしい考えだと思います。
自分の為というよりも、自分も含めた職場のみんなのため、という気持ちが、お強いのではないでしょうか。
私が労働組合を設立した時も、まったく同じ気持ちでした。
しかし、組合をつくることは、最初に思っていた以上に、大変でした。
そして、最初は一緒に労働組合の最初の仲間になってくれるはずだった人も、一人はなれ、さらに一人はなれていき・・・
そのような経験も、実際に私は経験しました。
なので、しっかりと勉強会を重ねたり、準備することが必要です。
思いつきで衝動的に行動しても、最初は賛同を得られますが、人の気持ちは変わりやすいです。
もちろん、きちんと準備をすれば、それは可能になるでしょう。
しかし、まずは話を聞いたり、証拠を集めたり、証言を集めて記録したり、そういった地道な行動を継続することも、効果があるのでは?と思いました。
それを見ている人(仲間)がいると思います。
労働法を学ぶ、ということも良いかもしれません。
私も、そのような知識がない状態で上部団体に相談に訪れたことがありますが、いろいろな知識を授けていただいて、その中に法律の知識もありました。
労働組合を作りたい
仲間のためにも、あなた自身のためにも、その心意気は大切にしてください。
その気持ち、勉強した、話を聞いた、実際に行動した、すべての経験があなたの血となり肉となる、このことは、私が保証いたします。
何かございましたら、ご相談くださいね。